PSE法(電気用品安全法)とは、電気製品の安全性を確保するために、安全検査を義務付け、その検査を通過してPSEマークを表示した製品しか販売できないという法律。 この法律の施行は5年前。しかし私たちの取り扱う音響機器や電子楽器など(他にテレビや冷蔵庫、ゲーム機器など)は5年間の経過措置期間が設けられ、その期間中はPSEマークが表示されていなくても販売ができた。 今月末でその経過措置期間は終了し、来月4月からはこれらの製品を販売するにはPSEマークが必要となる。
これを受け、PSE法の対象になる電気製品の中から中古楽器を適用除外するよう求める目的で、坂本龍一氏、松武秀樹氏、椎名和夫氏が立ち上がり、日本シンセサイザー・プログラマー協会(JSPA)が本日、経済産業省に対して要望書を提出した。
楽器は、特にヴァイオリンで代表されるように古いものに優れたものが多い。このことはアコースティック楽器に限らず、エレクトリック楽器も同様である。これは美術骨董品などに対する評価とは違い、実用品としての価値である。 更に古い楽器のみにしか出せない音色に対しても本来評価すべきであるが、これは数値に置き換えられるものではないので難しいと思う。 一方、経済産業省は中古の家電製品を安全に販売・購入・使用させようとして、PSE法を執行する。 「販売者・ユーザー」と「経済産業省」との間では目的も価値観も違っているのがわかる。 経済産業省は急遽昨日、ビンテージものを例外とする特別承認制度を発表したが、何を基準にしてビンテージとするのかが疑問だ。音色の評価が難しいのと同様、ビンテージの度合いを判断するのも難しいと思う。
必要とされる安全検査についても疑問がある。 製品に対して1000ボルトの電圧を1分間かける漏電検査だという。 電子機器にこのようなことをしてはいけません。と教える立場に国はあるのではないかと思う。
音響機器や電子楽器を家電製品と同じ部類に属させ、同じ扱いをすることがそもそも間違っている。 経済産業省は早い機会に法を改正すべきだ。
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